共同薬品では、変性アクリル樹脂を主成分にした液状接着剤を商品化しており、FPC用アクリル系接着剤(AW-32、AW-33)を上市しています。可とう性、耐熱性に優れた高性能な接着剤で、特にFPCとリジット基板との接着などに適しています。
接着とは
接着剤を介して物理的な力または化学的に結合した状態をいいます。
接着の理論は以下のような説があります。
機械的結合
アンカー効果や投錨効果などと呼ばれており、接着剤が隙間に入り固まることで接着します。
物理的相互作用
ファンデルワールス力(分子間力) によって接着します 。
化学結合
一次結合力で化学的に結合し接着します。
接着剤(AW-32,33)の使用例
当社の接着剤は主としてフレキシブル基板(FPC)と補強板の接着に使用されております。

接着剤の種類
接着剤の主な種類は図の通りです。

AW-32,33の主な特徴
構造

性能
- 可とう性に優れる
- 接着性に優れる
- 耐熱性に優れる
- プレス時の樹脂フローが小さい
- 仮止めが可能
- ハロゲンフリー
アクリル系接着剤とエポキシ系接着剤との相違
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| アクリル系接着剤 | エポキシ系接着剤 | |
|---|---|---|
| 接着強度 | 主として大きい | 主として小さい |
| 樹脂フロー | 安定している | 主として不安定 |
| 保存安定性 | 温室保存可 | 冷蔵保存可 |
| 耐屈曲 | 優秀 | 良 |
AW-32,33の使用方法(ボンディングシートへの加工)
AW-32,33は下図のように接着剤を塗布⇒乾燥⇒ボンディングシートに加工されます。加工されたものを基板に張り合わせ、熱硬化させることで性能を発揮いたします。

AW-32,33の仕様および性能
AW-32、AW-33は溶液タイプの接着剤であり、仕様および性能は以下の通りです。

AW-32,33の仕様
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| AW-32 | AW-33 | |
|---|---|---|
| 外観 | 微黄色液体 | 微黄色液体 |
| 不揮発分(%) | 12.0~12.5 | 18.5~20.0 |
| 粘度(mPa・s)25℃ | 600~1100 | 500~1200 |
| 使用溶媒 | MEK | MEK |
AW-32,33の性能
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| 項目 | 被着材 | AW-32 | AW-33 |
|---|---|---|---|
| 接着強さ | PI/GE | 1.5 | 1.3 |
| PI/500H | 1.2 | 1.2 | |
| PI/SUS | 1.4 | 1.3 | |
| PI/Al | 1.2 | 1.3 | |
| 半田耐熱(℃) | PI/GE | 300 | 280 |
| PI/500H | 260 | 260 | |
| PI/SUS | 280 | 280 | |
| PI/Al | 280 | 280 | |
| フロー(mm) | 0.4 | 0.9 | |
※カスタマイズも可能です。
AW-32,33の使用方法および性能試験条件
AW-32,33の使用方法および性能試験条件は以下の通りです。
フィルム化およびプレス条件
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| 項目 | 条件 | |
|---|---|---|
| フィルム化 | 温度(℃) | 120~150 |
| 時間(分) | 2~10 | |
| プレス | 温度(℃) | 160~180 |
| 圧力(MPa) | 1.96~4.9 | |
| 時間(分) | 30~60 |
性能試験条件
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| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 被着材 | カプトン100H/ad/GE他 |
| 接着層 | 約25μm |
| フィルム化 | 130℃×4分 |
| 硬化 | 160℃×3.92MPa×60分 |
| 接着強さ | 90°ピール 50mm/min |
| 半田耐熱 | C-2/20/60 |
AW-32,33の使用製品
FPCが使用される製品にAW-32,33が使用されますが、例として以下の製品となります。
- スマートフォン
- ハードディスク
- CCD
- プリンター
- コネクター
